元銀行員、今はボート屋のしょうたです。
ボート、クルーザーって、車と比べ物にならないぐらい値段が高いし、維持費もバカにならないぐらいかかりますよね。
それでもみんなが憧れるボート&クルーザー。
大海原を駆け抜ける疾走感を一度体感すると、もう自分のマリンライフを手に入れたくなる気持ち・・・
すごくわかります!!
中古であっても決して安くないボートとクルーザー。
中古艇、中古ボートを買って、「あれ!?自分が思っていた感じと違った!」「えぇ!!買ったばかりなのにエンジンが・・・」なんてことにならないように、中古艇、中古ボートを買う際に購入者が注意しておくべきことをまとめました!
良い中古艇、中古ボートを買ってマリンライフを存分に楽しむためにもチェックしてみてくださいね。
もくじ
中古艇&中古ボートを購入する際に気をつけておきたいこと!
大きなクルーザーだと、何億、何十億、はたまた何百億もするクルーザー。
釣り用の小さめのボートだとしても数百万円はするのがボートの価格というもの。
基本的にはクルーザーは富裕層の娯楽のためのものであるし、小さめのボートだとしてもそれなりにお金を持っている人の余暇を楽しむためのアイテムです。
しかしながら、最近では中古艇、中古ボートの種類も充実しており、新艇であれば数億円した船が数千万円で買えたり、数千万円していたボートが数百万円で買えたりするなど、お得な価格で船を手に入れるチャンスもあります。
コレが中古市場の魅力ですよね。
でも!
“中古”と言っても車と比べると高いのがクルーザーとボート。
“中古”であっても、購入する際はミスが許されません!
蓋を開けてみるとヘンテコなボートだった・・・
なんてことだったら、悔やんでも悔やみきれませんよ。
中古艇、中古ボートを購入をお考えたの方、以下のことに注意しましょうね。
船を購入する人の心構え!
いい船をゲットする前に!!
購入者がきちんと考えておくべき事があります。
それは・・・
維持費は本当に高いけど大丈夫?
「ボート、クルーザーの維持費って、本当にお金がかかることだけど大丈夫?」ということ。
例えば、26ftのボートを購入した場合、
- マリーナ保管料:30万円〜40万円ほど
- 年間の船の上下架:10万円ほど
- メンテナンス費用:10万円〜数十万円(メンテナンス内容による)
ざっとあげただけでも、年間に50万円程かかるのがボート・クルーザーの維持費です。
この他にも、マリーナの入会金や船台のレンタル料又は購入料などがかかってきます。
船は買って終わりではありません。そこから毎年数十万円の固定料がかかってくることをしっかりと把握しておきましょう。
ボート、クルーザーは壊れやすいけど大丈夫?
購入者が心得ておきたいこと、2つ目!
ボート、クルーザーは海、川という自然の中を走るものなので、大変壊れやすいです。
このように思われる方が多いのですが、ボートやクルーザーはいくら車より高価だとしても車より壊れやすい性質のものなのです。
考えてみてくださいよ。
車はタイヤの摩擦や空気抵抗はあれど、エンジンが気にならないぐらいの抵抗しかかかっていません。
一方、船は水中という抵抗の中をただひたすら走っています。
ということです。
ボート、クルーザーのエンジンはただひたすら水中というものすごい抵抗のある中を突っ走っているのです。そう考えると、車のエンジンよりも負荷がかかっていることがわかります。
加えて!
車には変速機がありますが、船にはありません!
車はスピードが出てくるとクラッチを変え、エンジンに負荷がかかりにく状況になります。
しかし、船はただひたすら1速で走っているような状況です。
さらにさらに!
船の底に穴が開いていると水が侵入してくると、船はどうなりますか?
そう!
沈みますよね!!
穴が開いたら沈む船に穴を開けているのがプレジャーボートです!!
そりゃ、時の経過によりホースが傷んで亀裂が入りそこから海水が侵入したり、バルブが緩んでそこから浸水したり・・・などなどそもそも船の造りからして浸水するかもしれない設計になっているのです!
ボート、クルーザーは確かに高価!
でも、だからと言って壊れにくい代物ではないということです。
できればメンテナンスは自分でやるべき
壊れやすいボートやクルーザー。
壊れたらメンテナンスをする必要がありますよね!
ボート業界の整備の相場は車と比べ物にならないぐらい値段が高いですよ!
やっぱり扱っているものが“ボート”、“クルーザー”というだけあって大きい分、ちょっとした修理でもたいそうな工事になるんですよね。
そうするとやっぱり工賃も上がりがちです。
僕の勝手なイメージですが、ボート・クルーザーのメンテナンスは車のような整備が必要でありながら、内装屋さんのような建築業界的な要素も含まれていると思っています。
足して2で割ったようなイメージです!
あと、需要と供給で価格というものは決まってくると思うのですが、そういう意味では日本のボート業界は欧米と違い、まだまだ市場規模も小さく、お世辞でも人気のある業界とも言えませんので需要に対し供給が少ない状況です。
そうなると、サービスの値段が上がるのが市場の原理。
ボート・クルーザーの整備代金が高くなるのは仕方のない話でもあります。
でも!
ボートオーナー自身ができる範囲で愛艇のメンテナンスをやれば、かかる費用は材料費のみ。
船底塗装やちょっとした備品を付ける作業とかであれば、正直誰でもできますよ!やる気次第です。
お金にたんまりと余裕のあるオーナーであれば、業者に依頼すればいいですが、
など言う人であれば、自分でメンテナンスをやるべきです。
それが一番安上がりですからね。
“中古”の船はココをチェックしたい!
そう言う方は本物のプレジャーボート好き、海好きですね!
そんな人のためにボート業界で働く僕が中古艇のココをチェックした方がいい!というのをまとめました!
では早速。
1. 『外装が綺麗』に騙されるな
なんて一目惚れしてしまうこともあるかもしれませんが、中古艇を買うとなると注意が必要。
正直、外装は綺麗にしようと思えばいくらでも綺麗にすることができます。
中古艇を買う上で重要視しないといけないことが、外装、装備品などのソフト面ではなく、主機、つまりエンジンの状況はどのようになっているかというハード面を気にすることが大事です。
いくら外装が綺麗であっても、エンジンのアワメーターが2000h近く回っていたとすると、
と、主機の状況を第一に気にするべきです。
逆に外装がボロボロでも、以前のオーナーはあまり船に乗っていなくて、ずっと陸上保管をしていてアワメーターも200h程・・・
というような船であれば、外装さえ綺麗にメンテナンスをすればまだまだ問題なく乗れる船だと考えていいでしょう。
『外装に騙されない!』というのは肝に銘じておきたいところです。
2. エンジンがぱっと見綺麗でも・・・
と、ぱっとエンジンルームを見た雰囲気で判断をしてしまうのも禁物!
エンジンはいろんなメーカーのものがありますが、どのメーカーもそのエンジンカラーを塗装するための塗料、ラッカースプレーなどが販売されています。
つまり!長年整備をしていなくて塗装がボロボロだったエンジンでも、
と、綺麗に塗装さえしてしまえば、エンジンがパッと見、綺麗に見えてしまいます。
塗装されたエンジンかどうかを見極める一つのコツとして、エンジンの一番底を覗きこむというのがおすすめです。
エンジンを下ろしでもしない限り、エンジンの底を塗装するのは難しいですからね。
どんだけパッと見のエンジンの塗装面が綺麗でも、エンジン底の塗装がボロボロだったりすれば、そのエンジンは一度塗装された可能性がある・・・と思って聞いてみるもの一つの手段かもしれません。
でも、塗装されたエンジンが必ずしもダメだと言っているわけではないですよ。
塗装しないといけないぐらい表面がボロボロだったという事実を踏まえた上で、過去のメンテナンス状況、以前のオーナーがどのような管理をしていたのかを聞くことが大切です。
ということです。
3. 購入後にかかる費用は?
前述したボート・クルーザーの“維持費”などもそうですが、購入後にどれくらいの費用がかかるのかをイメージしておくべきです。
例えば、いくら気に入った中古艇の値段が安くても、
なんてことになれば、いくら中古艇本体の値段が割安でも、のちのちに装備品を付けていくと最終的に予算以上の金額に・・・なんてことになるかもしれません。
中古艇はあくまでも“中古”です。
新艇であれば、全てコミコミの値段かもしれませんが、中古艇は少なくとも
- 自分はどのような乗り方をしたいのか?
- それに伴う必要装備品は何か?
- あと、どれくらいの費用がかかるのか?
など、購入後の先をイメージすることが大切です。
中古艇を買ったはいいものの、予算オーバーで装備品を買うお金がない・・・なんてことになると勿体無いですしね。
中古艇を購入するならできれば業者を挟むべき
船を買うって高い買い物ですからね。
できれば安く買いたいと思うのが人情ですが、船を買う時はボート業者を挟む方がいいです。しかも第三者の立場から見てくれる信頼できる人を。
という話です。
船を買おうと思った人が、船に詳しくて「今までにいろんな船を見てきた!」ということであれば問題ないですが、そこまで船に詳しくないけど、マリンライフに憧れて船の購入を検討している人であれば第三者の立場の業者に相談する方がベターですよ。
今だと、「中古艇ドットコム」「船ネットドットコム」「ボートワールド」「リップルタウン」などの中古艇サイトで気軽にネットで中古ボートを探すことができますが、ネットで探す際もめぼしい船を見つけたら現地確認することをおすすめします。
できればその時に船に詳しい人と一緒に見に行きたいところ。
なんども言いますが、中古車感覚で中古艇を購入してしいまうとあとで後悔することになるかもしれませんよ。
さいごに:“数字”や“写真”からではわからないのが『中古艇』
この船は年式が新しい・・・
この船はバブルの頃の船だ。ダメだろうな・・・
写真で見る限りめっちゃ綺麗・・・
中古艇は数字や写真から判断するのは危険です。
まぁ、ここまで読まれた方はお気付きかもしれませんが、必ず現物を確認しないとダメですよ。
中古車であれば、ある程度年式からどの程度の状態か予想できる部分もありますが、中古艇と話は別。
潮風を浴びてあちこちが傷んでくるし、
岩礁に乗り上げて船底を傷めてるかもしれないし、
お金をケチって主機・補機のメンテナンスを定期的にやっていないかもしれないし、
ハルをぶつけてるかもしれない・・・
船は車以上に前オーナーがどのように船を扱っていたのかが選ぶ際には重要です。
古い型式の船でも、前オーナーが労力・お金をかけて保管していたものであれば、価値のある中古艇と言えます。
マリンライフを楽しむための船選び、ちゃんと買った後にマリンライフを楽しめる船を選ぶようにしましょうね。